髪を切ること。スタイルをデザインすること。

 

 

ヘアスタイルは日常で、時に気分が上がったり、なりたい自分のバロメーターになったり、切る服や表情までも変わることができる可能性をもっていて、ぼくたちはいつもなんらかの期待と不安を察知しながら設計しデザインに落とし込む。

「責任」と「覚悟」を持って日々お客様と向き合うべき。

こう思って店を運営し、そう思えない人は採用をしない。

これが独立をする上で絶対にブレちゃいけない自分との約束事だった。

 

 

 

このブログは、教訓であり、自戒であり、反省でもある。

そして誰かのために書いている。

 

ぼくが失敗したあの子にも読んでほしい、悲しい思いをして相談にきてくれたあの子にも読んでほしい、そして失敗してしまった誰かにも。

 

上手くかけるかわからないけど、書かずにはいられないのだ。

 


美容室と失敗。起こったら、どうする?


 

「技術はあって当たり前です」

 

と100人いたら100人の美容師がそう答えるだろう。

 

今の世は大戦国SNS時代。個人メディアを持ち発言をする人も多い。

 

それでいて美容師は全員「自分はうまい」と思っている。

 

ぼくだってそうだ。

 

 

日本一なんともおもってないし(まあギャグで言うけど)技術的なマウントをとって誰かを落としてやろうとは思わない。

 

世のかなには上手い人やこの業界を切り開いてくれた先人がいて、おこがましくも一番であるとは思えない。

 

 

少なくともお金を払ってきてくれるお客様がいて、その方々に「この人が担当でよかった」自信を持ってもらえるよう精進している。

 

あたりまえの精度をあげることでしかうまくなるなんてない。とおもって日々やるしかない。

 

 

だが人は失敗する生き物で、意図せず失敗する人はいないと思うし、もしも万が一「失敗してしまった時にどうするのか?」が人としての行動になってくるよね?と思うんだ。

 


意図的に失敗しようとする美容師・人間はいない


 

まずね誤解がないようにいうと、失敗する生き物だから、許してね。なんて甘っちょろいことを書きたいわけじゃない。

 

美容室で起こりうる失敗のほとんどが美容室・美容師の過失から生まれる。

 

技術不足から起こる施術のミスだけでなく、カウンセリング不足による髪の施術履歴の把握が不十分であったり、ダメージレベルの見極めなんかもそう。

 

また「慣れてしまうこと」油断や慢心から起こりうるミス。ぼくもやったことがある。

メンタル的なところ。調子こいてんだよね。

 

たくさん失敗したからこそ思うけれど、

 

常に最新の注意を払っていないと、すぐに失敗に直結する職業。士業である我々の仕事は髪のデザインだけでなくその人の未来までを請け負う覚悟でなければいけないよね。

 

許せるミスというか、直せるミスというか、とりかえしのつくミス。

 

 

ミスは意図的ではないのだから、その時まずは「申し訳ありません、お手数、ご足労おかけします」と。

 

ぼくだってある、ミスしたこと。

 

「傷つけてしまった、悲しい思いをさせてしまった」と思うんだ。

 

そういったミスを指摘いただいたことはチャンスをいただけたと思い一生懸命やる。

 

”許される人であれ”

 

スタッフには常に話をしていること。

許される人は常にまっすぐ向き合って、正直であれること。起こった出来事を素直に受け止められること。であるかな?と思っている。

 


おれたち美容師は「取り返しのつかない事態」と隣り合わせであることを認識しなきゃいけない


 

 

”髪は女の命である”

 

これは幼稚園の時に親に殴られながら教わったことだ。

 

女の子の髪の毛にいたずらをした、思えばあの平手打ちが美容師に導いたのか。(いやちがう)

 

 

刃物や薬剤を使用し髪を切ったり染めたりする。その覚悟と責任はあるか?

 

場合によっては取り返しのつかない事態になる可能性を孕んでいる。

 

そのことに対しておれたち美容師はどこか忘れてやしないか?と。

 

謝って許されない事態にだって時にはなってしまうことがあるんだよ。と言うことを改めて認識しなきゃいけないと思うんだ。

 

これから伸ばしてやりたいスタイルを楽しみにしていたあの子の髪が突然溶けるように濡れただけでちぎれてしまったら?

 

数万本に近い髪が、濡れただけで根元1cmからちぎれてしまう恐怖。

 

1人だったら取り乱して受け入れられないだろう。

 

いやいや、そんなことあるわけないでしょwwwなんて声が聞こえてきそうだけど、実際に起こり得ること。

 

 

目の前で起こった出来事だからこそ、向き合わなきゃいけない。

 

 

ただ、その人も失敗しようと思ってしてるわけじゃない。

だからこそ起こってしまったことを受け止めること。

もしもそばにいるのなら一緒に悩んで今後のことを解決しよう、だからその失敗した人を恨んじゃいけないよ。

 

 

擁護するわけじゃないがそう言った。

 

でないとその子の心が荒むから。

 

 

 

書いていて読み直してたら「おれ」とか言い始めてる。

 

強く思うからおれっていうけど。

 


技術職、人気商売。「できない」美容師は死しかない


 

ぼくたちの失敗は人を傷つけるばかりか、外に出る気力を奪うことも、楽しい時間を過ごす気持ちをなくすことも、未来を楽しみに思う前向きな気持ちをも奪うだけの事態が起こり得る。

 

 

その認識が薄れてきてしまう、そんな時がある。

 

たくさんの意見発言、思いは見れる時代だからこそ、何かと比べて慢心してやいないだろうか?

 

 

 

 

 

技術のない美容師は死しかない。

知識のない美容師は死しかない。

それを認められない美容師は死しかない。

 

ぼくは常にそう自分自身、店としてそう思っている。

ぼくたちは支持がなければ無価値だ。

 

そしてなによりもしも失敗してしまった時にそれを「認め、謝罪すること」だ。

 

なかったことでは済まないから、糧にして学ばなきゃいけない。

 

もしもスタッフがそういった失敗をしてしまったら、店が、責任者のぼくが責任を取る。

謝罪する。店とはそういうものだ。

 

 

施術で失敗してしまっても、キモチのフォローまでは失敗できない。

 

 

 

 

キレイにするのは外見だけじゃないんだ。

気持ちの面でもキレイにしなきゃならんのだ。

 

曖昧な態度ではいかんのだ。目を見て向き合う以外にないのだ。

 

 

改めてここに、宣言を。

刃物・薬剤を使用し美を提供するものとして覚悟と責任をもって命をかけて美容師として生き、サロン運営をしていきます。

よろしくお願いします。